九州では最難関私立大学とも言われる西南学院大学。「全国的にはどれくらいのレベルなのだろう?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、関東の有名中堅私立大学である日東駒専と西南学院大学を徹底比較していきます。偏差値はもちろん、各大学の特色や就職率、学費などについても解説しているので、西南学院大学や日東駒専を受験しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
西南学院大学と日東駒専の概要
まずは西南学院大学と日東駒専の特徴についてそれぞれ解説します。
西南学院大学
西南学院大学は、福岡県西新の好立地にキャンパスを持つ文系の私立大学です。キリスト教教育を基盤とする充実した語学教育を武器に、世界で活躍できる人材の育成を目指します。
「語学の西南」と呼ばれるほど語学に強く、アメリカやイギリスをはじめとする世界33カ国との交換留学を積極的に行っているのが特徴です。国際色豊かなキャンパスでは、自由で柔軟な発想や協調性など、国際的な思考力を培うこともできます。
日東駒専
日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の4つの大学からなる日東駒専。
圧倒的な学生数を誇る日本大学では、一学部ごとにキャンパスがひとつずつ用意されているのが特徴です。丁寧で綿密な学部教育が可能になっています。総合大学でもある東洋大学では、日本で唯一「哲学教育」を行っていることで知られます。仏教系の大学である駒澤大学では、「仏教の教え」と「禅の精神」を教育の軸としています。渋谷から約7分というアクセスの良さも魅力です。日本で初めて経済学部を設置した専修大学は、経済関係に進みたい人にとっては非常に強い大学と言えます。
よく”日東駒専”と一括りにされますが、各大学の特色はそれぞれです。気になる大学がある場合は、ホームページを確認してみたり、実際にオープンキャンパスに行ったりすることをおすすめします。
比較①偏差値
「西の慶応」とも呼ばれる西南学院大学は福岡ではトップクラスの難関私大です。そのため、「日東駒専よりも偏差値が高い」と思っている方が多いのではないでしょうか。
あるいは、「全国的にも知名度が高い日東駒専の方がレベルが高いはずだ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
実際のところはどちらの偏差値が高いのか、パスナビの偏差値を比較してみました。各大学の偏差値は学部によってもバラつきがあるため、今回は日東駒専にも西南学院大学にも学部を持つ法学部のみ比較していきます。
西南学院大学 | 52.5~55.0 |
---|---|
日本大学 | 47.5~55.0 |
東洋大学 | 47.5~55.0 |
駒澤大学 | 47.5~57.5 |
専修大学 | 50.0~57.0 |
日東駒専の偏差値は、4大学ともほとんど同じレベルです。僅差ではあるものの、駒澤大学が最も偏差値が高く、最も低いのが日本大学と東洋大学です。
いっぽう西南学院大学の偏差値は52.5~55.0とされていました。最大値と最小値を比べると、西南学院大学は日東駒専のおおよそ中間レベルの偏差値であると言えそうです。
したがって、西南学院大学と日東駒専は双方同じくらいのレベルであるということになります。
学部ごとに難易度は異なるので、あくまでも法学部の場合になります!
比較②国際系の学部
西南学院大学を志望している人は、英語や国際関係に関心がある方が多いでしょう。そこで、各大学の国際系学部一覧と、主な研究内容について簡単にご紹介します。
西南学院大学
外国語学部外国語学科(偏差値50.0~52.5)
もともと文学部でしたが、2020年4月に外国語学部へ改組されました。英語・フランス語の2言語を学ぶことができ、異文化理解や外国語でのコミュニケーション能力の向上を目的とする学科です。
法学部国際関係法学科(偏差値55.0)
国際関係法学科のある大学は全国でも数校しかありません。常に変化する国際社会の動態を見つめながら、それを分析・対処するための知見と語学力を身につけることができます。
経済学部国際経済学科(偏差値52.5)
経済学や経済活動に関心があり、かつ国際的に活躍したいという学生が多く在籍しています。世界経済の問題についての知見を深め、問題を解決する力を養うことが可能です。
国際文化学部国際文化学科(偏差値55.0)
言語・地域・文化の3つの側面から異文化の本質理解につとめる学科です。英語、中国語、ドイツ語、フランス語、韓国語から2カ国語が必修で、さらにスペイン語、ロシア語、タイ語、イタリア語、ラテン語など10言語を学ぶことができます。外国語学部は”言語”そのものにフォーカスしているのに対し、国際文化学部は言語を含めた”文化”という側面に着目しているところが違いです。
日東駒専
日本大学国際関係学部(偏差値:45.0)
国際的なコミュニケーション能力を磨き、世界の人々との協働や豊かな国際社会の創造に貢献する力を養うことが可能です。
東洋大学文学部(偏差値:57.5)
国際文化コミュニケーション学科と英語コミュニケーション学科があります。国や価値観の違いを超えてお互いを理解・尊重することで、真のコミュニケーション力の獲得を目指します。
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部(偏差値:50.0〜55.0)
実践的な英語力やメディアを使いこなすための情報リテラシーを身につけ、グローバル社会で活躍するための能力を磨きます。
専修大学経済学部国際経済学科(偏差値:47.5〜50.5)
語学力と経済の基礎知識を獲得するとともに、国際的な経済問題の歴史や現状についての理解を深めることができます。
専修大学国際コミュニケーション学部(偏差値:50.0〜57.5)
真の国際人の育成を目指して、2020年に神田キャンパスに新しく設立された学部です。異文化交流イベントやプログラムが充実しています。
比較③留学プログラム
留学生の数、留学プログラムなど外国語に関する各大学の制度を比較していきます。各大学の留学プログラムを比較します。
西南学院大学
西南学院大学は33カ国の102大学と国際交流協定を結んでおり、学生の交換留学を積極的に行っています。英語以外にもフランス語やドイツ語、イタリア語など7言語の学習が可能です。2~4週間の短期留学では、ホームステイはもちろん、将来海外で働きたい方のためのキャリアアップ研修も行っています。
日東駒専
日本大学:英語圏以外にも中国圏、ドイツ、フランス、韓国との交換留学が盛んに行われています。また、オンライン海外研修があるのも特徴です。
東洋大学:約3~6ヶ月間協定校で語学学習や異文化交流を行う中期留学をはじめ、海外インターンシップ、海外ボランティアなどプログラムが充実しています。
駒澤大学:協定を結ぶ13校との交換留学が行われています。また、夏季休暇や春季休暇中に約1ヶ月から留学できる短期語学セミナーもあります。
専修大学:短期の春季留学・夏季留学、中期留学、上級者向けのセメスター交換留学・長期交換留学など多くのプログラムが用意されてます。また、短期留学生が生活する寮に入寮し、留学生との協働を通して異文化理解を深めるプログラムがあるのも特徴です。
どの大学も国際力の強化に力を入れているようで、プログラムが充実していますね。
比較④就職率
「将来的に良い企業に就職したい」と思っている方や、「できるだけ就職に強い大学に行きたい」という基準で大学選びをしている方にとって、就職率は非常に重要度が高い項目のひとつではないでしょうか。そんな方のために、ここからは日東駒専と西南学院大学の就職率について比較していきます。
まず、西南学院大学の就職率を見てみましょう。大学のホームページを見てみると、就職率は97%でした。
続いて、日東駒専の就職率を見ていきましょう。各大学のホームページによると、日本大学の就職率は96.9%、東洋大学の就職率は97.6%、駒澤大学の就職率は97.8%、専修大学の就職率は96.4%でした。したがって、4大学の中では駒澤大学の就職率がもっとも高いことが分かります。
西南学院大学 | 97% |
---|---|
日本大学 | 96.9% |
東洋大学 | 97.6% |
駒澤大学 | 97.8% |
専修大学 | 96.4% |
就職率はあまり差がないことがわかりますが、就職先は大学の知名度に左右される部分もあるため、注意が必要です。
全国的にも知名度が高い日東駒専の方が、就職の際に有利な可能性もあります。しかし、九州近辺では西南学院大学の知名度もかなり高く、県職員などの公務員や大企業への就職実績も多い印象です。
将来どこで働きたいかも考えて大学選びができると良いですね!
比較⑤学費
大学を決定する上で、学費はやはり重要ですよね。「同程度のレベルの大学であれば、できるだけ学費が少ない方に……」と考える方もいるでしょう。そこで、日東駒専と西南学院大学の学費について比較していきます。
学費も学部によってバラつきがあるため、ここでは法学部の入学者納入金のみ比較することとします。
入学者の1年間の学費は、入学金・授業料・施設費の3つに分けられます。
入学金とは入学手続き時に大学に納付するお金のことで、2年次以降は支払う必要がありません。授業料は通常前期と後期に分かれており、こちらは2年次、3年次、4年次にも同額支払う必要があります。施設費とは、大学施設の拡充や経年劣化による取り替え・建て替え、維持費等に充てられるお金のことで、こちらも2年次以降も毎年支払わなければなりません。基本的には、入学金のみ最初の1年だけ支払い、その他は毎年継続して支払うという認識でOKです。
表を見る限り、一年の学費だけでは大きな差はありません。むしろ、一人暮らし/実家暮らしのどちらになるかで費用が大きく異なってきます。
さらに、同じ一人暮らしでも居住エリアによって家賃や生活費が変わってくるので、その辺りも確認した方がよさそうです。学生寮がある大学だと、比較的生活にかかる費用を抑えられるので、ぜひ確認してみてください。
関連記事:西南学院大学の学費は高い?入学金や4年間の学費・奨学金も紹介
比較⑥一人暮らしにかかる費用
大学に進学するのと同時に、実家を出て一人暮らしを始める方も多いのではないでしょうか。その際に気になるのが、「一人暮らしって一体どれくらいのお金がかかるんだろう……」ということですよね。
先ほど紹介した通り、学費よりも家賃や生活費で一年間にかかる費用が異なってきます。そこでここからは、西南学院大学と日東駒専の1年間の一人暮らしを比較していきます。
西南学院大学
福岡は大都市であるにもかかわらず、家賃相場が低いのが特徴です。実際のデータで見てみると、西南学院大学の平均家賃は44,000円でした。さらに、徒歩通学や自転車通学を選択している学生も多く、大学から近いところに住むこともできそうです。設備にこだわらなければもっと安い家賃の物件も見つかるでしょう。1年間にかかる家賃は528,000円という計算になります。
日東駒専
一方、日東駒専の一人暮らしはもう少し費用がかかります。渋谷まで約7分という好立地にある駒澤大学をはじめ、日本大学は水道橋~市ヶ谷中心、東洋大学は赤羽台、専修大学は神田と、どの大学も都心にキャンパスを持っていることが分かります。そのため、家賃は高めになると考えておいた方がよいでしょう。もちろん都心から離れたところに住んでそこから通うという選択肢もありますが、大学から離れればその分通学に時間がかかってしまいます。通学はほとんど毎日のことですから、遅刻を防ぐためにも、負担にならない程度の距離にとどめておくことが重要です。
日本大学
実際のデータを見てみると、日本大学法学部の平均家賃は63,774円、平均通学時間は37.3分でした。法学部のキャンパスがある水道橋周辺はオフィス街なので、学生が住みやすい価格帯のマンションが少なく、多くの学生が電車通学を選択しているようです。
東洋大学
次に東洋大学白山キャンパスの平均家賃は64,237円、平均通学時間は27.9分でした。東京都内の中でも特に家賃相場が高めの文京区にキャンパスがあるので、必然的に家賃は高めになってしまうようです。
駒澤大学
続いて駒澤大学の平均家賃は61,641万円、平均通学時間は25分でした。駒澤大学周辺は家賃相場が高く、設備にこだわりがなくてもそこそこ高くなってしまいます。
専修大学
専修大学の神田キャンパス周辺はオフィス街なので、ほとんどの学生が電車通学を利用しています。ただし最寄り駅が多く利用できる路線数も多いため、物件の選択肢は広いです。平均家賃が59,125円、平均通学時間が36.5分でした。
よって、日東駒専の平均家賃は61,293円、平均通学時間は28.3分という結果になりました。1年間にかかる家賃は735,516円です。
このように、大都市のわりに家賃が安い福岡と日東駒専とでは、1年間の生活費にに20万円以上差があることが分かりました。光熱費は東京都も福岡県も毎月8,000~10,000円程度、食費もそこまで大きな差はないと考えても良さそうです。
まとめ
ここまで、日東駒専と西南学院大学について比較してきましたが、いかがだったでしょうか。
偏差値では双方同じくらいのレベルです。就職率では全国的にも知名度のある日東駒専が僅かにリードする結果となりましたが、福岡近辺での知名度は西南学院大学も負けていません。さらに、学費や1年間の一人暮らし費用に関しては、圧倒的に西南学院大学の方が安いことが分かりました。
本記事を参考に、西南学院大学や日東駒専を受験するかどうか検討してみてください。
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