九州はもちろん福岡県にお住まいで大学受験を控えている方は、西南学院大学か福岡大学について一度は調べているでしょう。
どちらも九州の私立大学の中でも名高い大学ですが、「パンフレットを見比べるだけでは違いがよくわからない」という方も多いです。
そこで今回は西南学院大学と福岡大学について、大学の特徴や偏差値、学費、就職率など様々な観点から比較していきます。
西南、福大に興味がある方はぜひ参考にしてください!
西南学院大学・福岡大学の概要
はじめに、両校の違いを簡単に説明します。
西南学院大学
西南学院大学は、1916年に創立された福岡県福岡市早良区の私立大学です。南部バプテスト連盟の宣教師C・K・ドージャーにより設立されたキリスト教主義大学であり、キリスト教の授業も用意されています。
自由で明るい学風で語学教育を重視しているため留学生や外国人教員が多いことで有名です。そのため外国語学部(外国語学科)や国際文化学部(国際文化学科)、法学部の偏差値が高く私立の中でもトップレベルということが見て取れます。
また、福岡県の私立大学の中でも代表する私立文系のトップクラスを誇っており九州地方の私立大学の中でも特に外国語を学びたい方におすすめの大学です。
福岡大学
福岡大学は、1934年に創立された福岡県福岡市城南区の私立大学です。10学部33学科、大学院10研究科34専攻、さらには在校生が約20,000人、教職員約4,000人と九州最大級の西日本屈指の総合大学です。
人文学部や法学部、経済学部などの文系に限らず理学部や工学部にも長けており、3つの大学病院を擁することから医学部や薬学部の学習環境が整っていることで有名です。また、薬剤師の国家試験の合格率が高いことから志望する受験生も多く存在します。
文系だけではなく総合大学としての特長を生かしたプログラムや課外教育活動も行っており幅広い交流を持てることで人気が高い大学です。
偏差値を比較
西南学院大学は「50~55」、福岡大学は「45~52.5」の偏差値となっています。
西南学院大学は文系の学部しかありません。
文系での学部を比較すると2022年度の偏差値は以下の通りです。
学部 | 西南学院大学 | 福岡大学 |
---|---|---|
経済学部 | 52.5 | 45~50 |
商学部 | 52.5 | 45~50 |
法学部 | 52.5~55 | 45~47.5 |
上記の表からも分かる通り、西南学院大学の方が偏差値は高めです。西南学院大学は神学部は「50」、外国語学部は「52.5」、国際文化学部は「55」、人間科学部は「50~52.5」となっています。これは福岡県内の私立大学の中でもトップレベルの偏差値となっています。
ただし、福岡大学の理系の中でも医学部は「50~65」、薬学部は「50~55」と偏差値が高いです。福岡県内の理系の私立大学としては上位に位置しています。
これらのことから文系学部は西南学院大学、理系学部は福岡大学が力を入れていることが分かります。どの学部を選ぶか、どの分野で活躍していきたいかによって志望する学部・学科を選び、それぞれ偏差値を確認することをおすすめします。
雰囲気を比較
入学した後に「想像していた大学の雰囲気と違った…」とギャップを感じることを回避するため、本章では西南学院大学と福岡大学との雰囲気の違いを紹介します。
西南学院大学は、語学教育を重視しているため学生の交換留学が盛んに行われ国際交流に力を入れています。
毎学期50人以上もの留学生をヨーロッパ各地やアメリカなどの世界中から迎え入れており、大学主催の交流イベントも開催されているため交流が持ちやすくさまざまな文化を学べます。
学生同士の交流は学部や学科を超えて行えることはもちろん、チャペルや学食が一般解放されており学生以外の一般客も多く利用するなど自由な雰囲気に包まれて学べる環境が用意されています。
キャンパス内は比較的狭いため、友人や知人と会う機会も多いでしょう。
一方福岡大学は、学生や教職員が多いことからマンモス校といわれています。そのためキャンパスも広く、1つのキャンパスに文系と理系の建物が設置されており、多くの学生が行き来しています。
大学内の設備も整っており、キャンパス内に食堂、カフェ、売店、コンビニがそれぞれ入っていることはもちろん、大学病院が同じキャンパスに設置されていることも他大学にはない特徴です。図書館も複数存在し施設が充実しているために個々の学習環境も整っています。
このことから数多くの学生が在籍しているため活気に溢れている一方で、充実した施設で個人の学習環境が揃っているような大学です。
学部を比較
学部が一致しているものに限りますが、西南学院大学と福岡大学の学部の比較は以下の通りです。
学部 | 西南学院大学 | 福岡大学 |
---|---|---|
経済学部 | 経済学科 国際経済学科 | 経済学科 産業経済学科 |
法学部 | 法律学科 国際関係法学科 | 法律学科 経営法学科 |
商学部 | 商学科 経営学科 | 商学科 経営学科 経営学科/会計専門職プログラム 貿易学科 |
上記の表から分かる通り、西南学院大学は国際的な学科が設置されている一方で、福岡大学は各学部ごとの学科数が多いのが特徴です。
西南学院大学は、上記の学部以外にも「神学部」「外国語学部」「人間科学部」「国際文化学部」があります。過去には文学部もありましたが、2020年4月より外国語学部に改編され、合計7学部12学科が現在募集されています。交換留学制度や海外での短期語学研修など国際的な特色が強い仕組みも多く、世界的に活躍できる人材の育成を目標にしている西南学院大学ならではといえます。
福岡大学は、他に「人文学部」「商学部第二部」「理学部」「工学部」「医学部」「薬学部」「スポーツ科学部」も募集されており、合計10学部33学科が集結している総合大学です。総合大学ならではの多彩な学部・学科を通じて、専門領域だけではなく学際的な領域も取り扱うことで学びの幅を広げています。
就職率を比較
2021年度のデータになりますが、西南学院大学の就職率は97.0%、福岡大学の就職率は96.1%です。
福岡大学はその中でも文系は95.1%、理系が98.0%となっているため文系だけでいうと西南学院大学の就職率が高めではあります。具体的な業種別の就職率は以下の通りです。
業種別 | 西南学院大学 | 福岡大学 |
卸売業、小売業 | 17.5% | 22.5% |
金融業、保険業 | 17.0% | 7.3% |
公務 | 13.4% | 6.6% |
情報通信業 | 11.1% | 10.9% |
製造業 | 6.0% | 7.0% |
不動産業、物品賃貸業 | 5.1% | 4.4% |
医療、福祉 | 4.8% | 5.0% |
サービス業 | 4.6% | 18.2% |
運輸業、郵便業 | 2.8% | 2.0% |
資本金10億円以上の大企業への就職率は西南学院大学が18.1%、福岡大学が27.6%となっています。
また、福岡大学薬学部の2022年の第107回薬剤師国家試験の合格率は、新卒が91.98%、既卒が54.55%と全国平均合格率の68.02%を大きく上回っています。
アクセス・キャンパス周辺環境を比較
西南学院大学は、地下鉄空港線「西新駅」から徒歩6分、西鉄バス「西南学院大学前バス停」から徒歩2分です。非常にアクセスの良い立地と言えるでしょう。
また、「福岡タワー」、海水浴場の「百道浜」、「PayPayドーム」、さらには2018年に完成した大型商業施設の「マークイズ福岡ももち」や「西新商店街」が徒歩20分圏内にあるので授業の合間や終わりに気軽に立ち寄ることも可能です。周辺の施設に恵まれているため、大学近くに住めば充実した生活を送れるでしょう。
僕も西新に住んでいますが、天神・博多に近くてとても便利です!
福岡大学は、天神から乗り換え無しの場合、バスで25~35分程掛かります。電車だと地下鉄七隈線の「福大前」が最寄りで、天神南駅からは16分程です。周囲は住宅街が多く、目立った施設こそはありません。しかしスーパーやコンビニ、大学生には嬉しい安くて美味しい飲食店が充実しているので生活する上で困ることはありません。
さらに、西南学院大学に比べて寮の種類が豊富です。新入生だけではなく保護者の方からも安心の大学生活を送れることでしょう。
学費を比較
西南学院大学と福岡大学はどちらも私立大学のため、国公立大学よりも学費は高いです。なかには、「少しでも学費を安く抑えたい」とお考えの方もいるでしょう。そこで、2校の学費を比較します。
西南学院大学は入学費が200,000円、授業料が年間750,000円、施設費として170,000円、そして教育充実費として40,000円となっています。
そのため、1年次で1,160,000円、2年生からは入学費を差し引いた960,000円となってきます。全学部で変わりはありませんが、委託徴収金といった自治会費や卒業アルバム費なども掛かってくるので2年生以降は年間約1,000,000円は見ておいた方がいいでしょう。
福岡大学の場合、学部や学科で異なってくるので一概にはいえませんが、文系の場合は入学時納入金や約670,000円、後期から半年ごとに460,000円となり4年間で掛かる費用は約4,000,000円程になってくるので西南学院大学と差はあまりありません。
理学部や工学部の場合は入学時納入金が約960,000円、後期から半年ごとに約700,000円となってきます。そのため4年間に掛かる費用が約5,900,000円かかります。さらに、医学部になると6年間で約3700万円と、かなり高額になります。
福岡大学の学部を選ぶ際には、学費も確認しておいた方が安心です。
まとめ
西南学院大学は異文化交流を重要視しており、国際的な人材育成を目指しています。いっぽう、福岡大学は文系・理系を有する総合大学として広く知識を得られる大学であることが分かります。
本記事を参考に、両校をよく比較検討して志望校を選択しましょう。
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